映画「ユージュアル・サスペクツ」

ユージュアル・サスペクツ

■邦題:ユージュアル・サスペクツ
■原題:THE USUAL SUSPECTS
■上映時間:105分
■製作国:アメリ
■ジャンル:サスペンス、ミステリー
■配給:アスミック
■公開:1996/04
■監督:ブライアン・シンガー
■製作:ブライアン・シンガー、マイケル・マクドネル
■製作総指揮:ロバート・ジョーンズ、ハンス・ブロックマン、フランソワ・デュプラ
■脚本:クリストファー・マッカリー
■撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル
■編集:ジョン・オットマン
■音楽:ジョン・オットマン
■字幕:戸田奈津子
■主演:スティーヴン・ボールドウィンガブリエル・バーンチャズ・パルミンテリ、ケヴィン・ポラック、ピート・ポスルスウェイトケヴィン・スペイシー、スージー・エイミス、ジャンカルロ・エスポジートベニチオ・デル・トロ、ダン・ヘダヤ、ピーター・グリーン、クリスティーン・エスタブルック、他
■ストーリー:
カリフォルニア、サン・ペドロ港でアルゼンチン・マフィアの所有する船舶の炎上事故が発生。それはコカインを奪おうとした犯罪者一味とマフィアの闘いの結果であった。一味の生き残りであるヴァーバルを尋問していた関税特別捜査官クインランは、6週間前、銃器強奪事件の容疑者として集められた5人の男たちの身にふりかかった奇妙な話を聞く事になる。元汚職警官のキートン、マクナマスとフェンスターの強盗コンビ、爆破の専門家ホックニー、そして詐欺師のヴァーバルら5人は、釈放後、協力して宝石強奪を決行。ブツをさばくためにLAの故買屋と接触した5人は、そこで新たなヤマを依頼されるが、宝石と聞かされていた獲物は麻薬で、トラブルから相手を射殺してしまう。そして恐慌状態の彼らの前に、伝説のギャング“カイザー・ソゼ”の右腕と名乗る弁護士が現れたというのだ……。
■感想:
「パブリック・アクセス」のブライアン・シンガー監督作品。銃器強奪事件の面通しで集められた五人の前科者を主人公に、歯車の狂い始めた犯罪計画を卓越した構成で描いたサスペンス・ミステリー。1995年と古い作品だが、まだ本作をご覧になられていない人は回れ右。予備知識なしでご覧いただきたい。銃器強奪事件の面通しで集められた五人の前科者、面通しのシーンでは左から、ケヴィン・ポラック、スティーヴン・ボールドウィンベニチオ・デル・トロガブリエル・バーンケヴィン・スペイシー、クセ者たちが揃っている。映画のジャケのデザインもなるくらいの名シーンである。ドンデン返しで有名な本作であるが、ケヴィン・スペイシー演じるヴァーバルの回想によって、物語が展開していく中、カイザー・ソゼの存在を知ることになる。伏線が散りばめられているが、さり気ない見せ方なので見逃してしまう。ヴァーバルの回想で真実と思われていた内容が、室内の壁に張られた書類の固有名詞を使っているのが面白い。コバヤシはコーヒーカップの底に書いてあった陶器の名前で、ヴァーバルはちゃんとコーヒーカップの底を見ているシーンもあり、初見だとなかなかそこに気づくことはない。ただコバヤシに関しては、名前は違うがその人物は存在しているのが興味深い。本当の名前が知りたい。ラストでカイザー・ソゼの正体が分かるくだりが秀逸すぎる。結局のところ、どこまでが真実で、どこまでが嘘かよく分からない。
■評価:5.0/5.0