映画「月に囚われた男」

月に囚われた男

■邦題:月に囚われた男
■原題:MOON
■上映時間:97分
■製作国:イギリス
■ジャンル:SF、ミステリー
■配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
■公開:2010/04/10
契約期間:3年
赴任地:月
労働人数:1人
このミッションは何か、おかしい。

■監督:ダンカン・ジョーンズ
■製作:スチュアート・フェネガン、トルーディ・スタイラー
■製作総指揮:マイケル・ヘンリー、ビル・ザイスブラット、トレヴァー・ビーティー、ビル・バンゲイ
■原案:ダンカン・ジョーンズ
■脚本:ネイサン・パーカー
■撮影:ゲイリー・ショウ
■プロダクションデザイン:トニー・ノーブル
■衣装デザイン:ジェーン・ペトリ
■編集:ニコラス・ガスター
■音楽:クリント・マンセル
■出演:サム・ロックウェル、ドミニク・マケリゴット、カヤ・スコデラーリオ、ベネディクト・ウォン、マット・ベリー、マルコム・スチュワート、他
■声の出演:ケヴィン・スペイシー
■ストーリー:
近未来。エネルギーの枯渇した地球は、新たな燃料源が存在する月へその希望を求めた。そして、宇宙飛行士のサム・ベルが世界最大の燃料生産会社ルナ産業との3年契約により、エネルギー源ヘリウム3を採掘して地球へ送るという仕事のため月へたった独り派遣される。以来、彼は月面基地サラングを拠点として、人工知能を搭載したロボット、ガーティを相棒に月面での作業に取り組み、また唯一の慰めだったTV電話での妻テスとの会話も衛星事故で交信不能になった今では、孤独感とも格闘していた。だが、その苦痛に耐える任期もあと残り2週間となった時、作業中に事故を起こしてしまう。やがて、基地内の診療室で目覚め安堵した刹那、そこに自分と瓜二つの人間がいることに気付くサム。これを機に、彼は周囲で起きている出来事が果たして幻覚なのか現実なのか、判別が出来なくなっていく…。
■感想:
DVDで鑑賞。ダンカン・ジョーンズ監督デビュー作品。地球に不可欠なエネルギー源を採掘するという3年契約の仕事に従事するため、たったひとりで月へと旅立った宇宙飛行士が、あるアクシデントを境に不可解な現象の数々に苛まれていくさまをサスペンスフルに描いたSFミステリー。ミニチュアを駆使した月面シーンはひと昔前のSF映画である。ほとんどが基地内で展開されるため派手さはないが楽しめる。採掘作業中に事故を起こしてしまい、サムが事故から目覚めた時、そこに居たもうひとりの自分。疑心暗鬼に陥る主人公とクローンを微妙に演じわける、サム・ロックウェルのひとり芝居は素晴らしい。同じクローンなのにそれぞれ別の個性があるように見える。クローン同士が協力して解決しようとするところも面白い。クローンの寿命が3年だけだが、わざと3年に設定しているのか、技術的に3年しかもたないのかは謎である。とても切ない内容ではあるが、人工知能搭載のロボット“ガーティ”の優しさが唯一の救いだった。
■評価:★★★★☆