映画「狼の血族」

狼の血族

■邦題:狼の血族
■原題:THE COMPANY OF WOLVES
■上映時間:95分
■製作国:イギリス
■ジャンル:ホラー、ファンタジー
■配給:ヘラルド・エース日本ヘラルド映画
■公開:1985/06
■監督:ニール・ジョーダン
■製作:クリス・ブラウン、スティーヴン・ウーリー
■製作総指揮:スティーヴン・ウーリー、ニック・パウエル
■原案:アンジェラ・カーター、ニール・ジョーダン
■脚本:アンジェラ・カーター、ニール・ジョーダン
■撮影:ブライアン・ロフタス
■美術:アントン・ファースト
■音楽:ジョージ・フェントン
■主演:アンジェラ・ランズベリー、サラ・パターソン、スティーヴン・レイデヴィッド・ワーナー、グレアム・クラウデン、テレンス・スタンプ、他
■ストーリー:
屋根裏部屋でひとり眠るロザリーン。彼女は夢を見ていた。村娘ロザリーンは、狼に殺された姉の葬式の後、森に住む祖母の家で狼男の話を聞いた。《昔々、村の娘が行商人と結婚したが、初夜に花婿は姿を消した。数年後、再婚した妻のところへ現われた花婿は狼男に変身して襲いかかってきた》。祖母は「眉毛のくっついた男は狼男だから気をつけろ」と注意した。ロザリーンに恋する少年は、彼女と森へ行く。途中でロザリーンは姿を隠し、少年は狼を見て村へとんで帰る。人々が心配しているところへロザリーンがもどり、鴬の巣の卵からかえった小さな赤ん坊の像を母親に見せた。父親たちは狼退治に出かけ、ロザリーンは母に祖母から聞いた話をする。《昔々、貴族の婚礼披露宴に村娘が姿を現わした。花婿に捨てられた彼女は居並ぶ貴族に呪いをかけ狼に変身させた》。父親は狼をしとめてもどってきたが、狼の足はいつの間にか指輪をはめた人間の手に変わっていた。祖母と訪ねる途中の森でロザリーンは眉毛のくっついた狩人と出会った。狩人は彼女より先に祖母の家へ着き、祖母を食い殺していた。こわくなったロザリーンは狩人に発砲した。すると狩人は狼に変身。ロザリーンは狼をなでながら、狼少女の話をした。両親や村人が祖母の家へやって来た。家の中には二匹の狼がいた。一匹はロザリーンの十字架を首からさげていた。二匹は森の中を駆けていく。屋根裏部屋のベッドでロザリーンは、起きあがった。彼女に狼の群が襲いかかってくる。
■感想:
「殺人天使」のニール・ジョーダン監督作品。グリム童話の『赤頭巾ちゃん』をモチーフに、狼と少女のエロティックで幻想的な関係を描いたユニークなダーク・ファンタジー。「狼男アメリカン」「ハウリング」と並んで狼男映画の傑作の一つ。本作はロザリーンが見る夢「赤ずきんちゃん」から始まり、夢の中でもおばあさんのお話が始まり、お話が多重構造になってこんがらがる構成。森の中は屋内のセットでの撮影しただけあって、風景は独特で幻想的な雰囲気を作り出している。変身シーンは、狼男に変身すると言うよりは、皮膚が剥がれ落ちて身体の中から狼が現れるという感じ。「狼男アメリカン」「ハウリング」とは一味違う変身シーンは必見。13歳のサラ・パターソン演じる赤ずきんがとてもキュート。赤ずきんもただの少女ではないサプライズが用意されている。眉毛のつながった男が狼男なのは面白い。
■評価:★★★★☆